田村重信
「4年目の日本論語研究会」
四 儒教がアジアを導く
――その本(ローレンス・トーブ『3つの原理』)に、「二〇二〇年までに日本は、中国、統一朝鮮とともに儒教圏ブロックを結成する」とあったのです。それが将来、世界第一位のブロックになると言っているんです。
第二位のブロックはヨーロッパ。第三位はアメリカを中心とするブロック。
何でそういうブロックができるのかというと、そこには儒教の伝統があるんです。
儒教が一つのまとまりになるのではないかということなんですね。
確かに日本と中国の関係だけを見ても、今の日本から見れば、中国は最大の貿易相手国です。好きとか嫌いとかは抜きにして、日本と中国というのはお互いに協力していかなければいけない。 日本が一国で頑張っても一億ちょっとの人口です。ヨーロッパのEUは五億の人口、二七ヵ国です。
これから日本が生きるためには日本一国で、朝鮮半島と喧嘩し、中国と喧嘩したって仕方がないんです。やはりできるだけ中国、朝鮮半島、あるいはシンガポール、東南アジア、そういう国々と協力関係を強化していくことがどうしても必要なんです。
そのキーワードというか、参考になるのが「儒教」、「論語」ということなんです。
どうしてEUが上手くいったのかというと、キリスト教というベースがあるからなんです。 だから日本、中国、朝鮮半島。あの北朝鮮だって儒教国家。今、北朝鮮のトップは独裁者ですが、権力者が変わればやっぱり基盤に儒教がありますから変化の可能性があると思います。
日本の将来を考えても、私たちが論語を勉強しているというのは大事になってくるような気がします。 今後は、特に宗教とか精神が極めて重要になっていきます。 物質的なものよりは精神的なものが大切になっていきます。そのためにも『論語』を勉強する、『論語』を精神的なベースにしていくというのは極めて大切だと思います。――
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