佐藤正久

「自衛隊と国際貢献」

佐藤正久講師


――まず溶け込む努力ということです。
 もともとイラクの人は外国人が嫌いです。なぜかと言うと、あそこはメソポタミア文型の発祥の地なんです。チグリス川、ユーフラテス川という川があって、そこに肥沃な土地が広がっている。北にトルコ、東にペルシア、西にギリシャ、南にベルリン。いろんな人たちが、あの地で争いました。
 私達は新参者です。まずは徹底的に安心感を与えないといけません。
 「私達は皆さんの友人であり、与えることはあっても奪うことはない」と言いました。そして私が隊員に言ったのは、「サマーワを愛し、イラク人を愛しなさい」ということです。安心して日本に帰るにはそうしないといけない。自分が持っている一番いいものを全面に出して現地の人の中に溶け込む。
 生半可な愛では絶対に相手にバレます。本当に自分を愛しているかどうかは、目を見れば分かりますし、握手しただけでも分かる。
 私の好きな言葉は、「信なくば立たず」を捩った「意なくば立たず」です。まずは気持ちなんです。気持ちがなければ何も始まらないんです。
 ところが日本人は、スーッと現地の人たちと同じ目線になれるんですね。これは日本人のDNAかも知れません。
 全然、現地の人たちの反応が違います。
 申し訳ないですが、欧米のNGOの方々は、口では宗教や文化を尊重するといいますが、実際は上からの目線で相手を見ます。ソファーにふんぞり返り、偉そうに指示をし、遅れてきても謝りもしない。
 気持ちがあれば時間の長短に関係なく信頼が生まれるんです。そこを徹底してやりました。
 私は隊員に対し「お前の仕事の仕方はイラクを愛していない」ときつく言うこともありました。――

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「自衛隊と国際貢献」(PDF:52KB)


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